ペリドットは、地中深くのマントルや隕石中に発見されることもある神秘的な宝石です。オリーブグリーンの輝きを放ち、「太陽の石」とも呼ばれています。
含有する鉄分の作用によって緑色を示します。 夜間照明の下でも昼間と変わらない鮮やかな緑色を維持したため、ローマ人からは「夜会のエメラルド」と呼ばれていました。後に、十字軍によって紅海に浮かぶセントジョンズ島(現在のザバルガッド島)から持ち帰られ、中世の教会の装飾に使われました。
200カラット以上ある大きなペリドットが、ケルン大聖堂にある東方の三博士の3つの聖堂を飾っています。
モース硬度:6.5-7.0。
8月の誕生石と知られています。
古い産地としては前述のセントジョンズ島がありますが、鉱脈は枯渇していないものの、採掘が禁じられているようです。
宝石として流通できる品質のものの産地は、アメリカ合衆国のハワイやアリゾナ州、中国、ミャンマーなどがあります。
地球外からも見つかった神秘的な宝石
イブニングエメラルドという異名を持つペリドットの和名は、橄攬(カンラン)石と言います。橄攬とは、オリーブのことで、鉱物名もそれに由来する「オリビン(Olivine)」です。ややブラウン味がかった輝きは、とても華やかで目を惹きます。
ペリドットは地中深くのマントル付近や溶岩で発見されますが、隕石の中で発見されたこともある神秘的な宝石でもあります。2005年には、スターダストロボットが宇宙から持ち帰った彗星塵の中からもペリドットが発見されました。
この他、石鉄隕石の一種であるパラサイトの中に、まれに宝石質のカンラン石が混じっていることがあり、原石のまま、あるいは特に大きいものはカットされ流通することがあります。隕石自体が珍しいものであり、その中でもまれにしか見られず、さらに生成の由来が所有者の夢をかきたてることもあって、たいへん高価となっています。
ペリドットは、マグネシウムを含む苦土橄欖石(くどかんらんせき)と、鉄を含む鉄橄欖石が混ざりあっています。苦土橄欖石が多いと黄緑色、鉄橄欖石が多いと褐色や黒色になります。宝石として使用される黄緑色のものは、苦土橄欖石が90%近くを占めています。
ペリドットの歴史
ペリドットは、歴史の古い宝石とされ、古代エジプトではペリドットは暗闇を照らす「太陽の石」と呼ばれ崇められていました。
そして、太陽のように輝きが強い宝石であることから、身に着けている人の邪気を退けて災いを取り払ってくれると言われ、古代ヨーロッパでは兵士が敵から身を守るためにお守り代わりに身に着けていたそうです。
ペリドットのパワー
ペリドットの石言葉には、夫婦の愛、幸福、和合、希望などがあります。ペリドットのオリーブグリーンの輝きは、見る人の心を癒させてくれます。自然と前向きな気持ちになり、勇気と希望が湧き、朗らかな気持ちで人と接することができるため、良好な人間関係を構築できます。
人の心を平静にして色欲を抑えるパワーがあるペリドットは、夫婦の愛という石言葉を持っています。一途な愛の象徴として、夫婦円満をもたらす力とされており、幸せな家庭には欠かせない宝石です。
ペリドットの効果
ペリドットには太陽の石と称されるように明るいエネルギーが満ちあふれています。怒りや悲しみなどマイナスの感情を取り除き、平穏で前向きな気持ちをサポートしてくれます。
またペリドットは、夜に輝きを放つ宝石でもあることから、暗闇に対する恐怖も打ち消してくれることから、ネガティブな感情から身を守ってくれるパワーも持っています。