干支みくじ

おみくじとは?

神社に参拝した際に「おみくじ」を引き、運勢などを占われた方も多いかと思います。

一般的に「おみくじ」は、個人の運勢や吉凶を占うために用いられているわけですが、種類もいろいろとあり、神社ごとに工夫も窺うことができます。その内容には吉や凶、または大吉・中吉・小吉・末吉という吉凶判断、金運や恋愛、失うせ物、旅行、待ち人、健康など生活全般に亙る記述を見ることができます。また、生活の指針となる和歌などを載せているものもあります。

そもそも占いとは、物事の始めにあたって、まず御神慮を仰ぎ、これに基づいて懸命に事を遂行しようとする、ある種の信仰の表れともいえます。例えば、小正月などにその年の作柄や天候を占う粥占神事かゆうらしんじや、神社の祭事に奉仕する頭屋とうやなどの神役を選ぶ際に御神慮に適う者が選ばれるよう「くじ」を引いて決めることなど、古くから続けられてきました。「おみくじ」もこうした占いの一つといえます。

「おみくじ」は単に吉凶判断を目的として引くのではなく、その内容を今後の生活指針としていくことが何より大切なことといえます。また神社境内の木の枝に結んで帰る習わしもありますが、持ち帰っても問題はなく、引いた「おみくじ」を充分に読み返し、自分自身の行動に照らし合わせてみたいものです。

出典:神社本庁 https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/osahou/omikuji

御神籤

おみくじを漢字で書くと、「御神籤」「御御籤」「御仏籤」となります。(難しい漢字ですね・・・漢検1級の漢字です)
「みくじ」は「くじ」に尊敬の接頭辞「み」をくわえたもので、漢字で書くときは「御籤」とするか、神社のものは「神籤」、寺のものは「仏籤」とするようです。ですので、神社では「御神籤」、お寺では「御仏籤」となります。

歴史

古代においては国の祭政(まつりごと、つまり政治)に関する重要な事項や後継者を選ぶ際に神の意志を占うために籤引きをすることがあり、これが神籤の起源とされています。
多くの神社仏閣でみられる現在のおみくじの原型は元三慈恵大師良源上人(がんざんじえだいしりょうげんしょうにん 912〜985)の創始とされているようです(比叡山の元三大師堂は「おみくじ」発祥の地として知られています)。

元三大師が観音菩薩より授かったとされる五言四句(ごごんしく)の偈文(げもん)100枚のうち1枚を引かせ、偈文から進むべき道を訓(おし)えたのが原型とされます。籤に番号と五言四句が記されているのはこの偈文100枚が由来であるようです。

おみくじも籤の一種ですが、特に神仏の霊威を意識したものを「みくじ」や「おくじ」、それ以外の日常的趣向的なものを「くじ」と呼ぶようになりました。
現在の神籤は参詣者が個人の吉凶を〓うために行われるもので、これは鎌倉時代初期から行われるようになりました。当時は自分で籤を用意するのが一般的であったようです。

内容

みくじ箋の内容は番号、吉凶、本文(願事、病事、待人、争事、縁談、学問、商売等)などで構成されています。

吉凶

「大吉・吉・中吉・小吉・凶」等の吉凶の語で書かれています。この順で運勢がよいとするのが基本ですが、「大吉」の次を「中吉」としたり、区分けを増やして「大吉・吉・中吉・小吉・半吉・末吉・末小吉・平・凶・小凶・半凶・末凶・大凶」とする神社も存在するようです。さらに、よりよい運勢を示す「大大吉(大々吉)」、最悪の運勢「大大凶(大々凶)」、大吉を細分した「向(むこう)大吉」、「凶後(のち)大吉」、吉凶の変動が大きいことを示す「未分(いまだわかれず)」、「吉凶未分」、「吉凶交交(こもごも)」がある神社もあるとのことです。

偈文に戒めが多かったことから、かつては凶の割合が多かったとされていますが、今日においてみくじ箋の吉凶の量の比率は、神社仏閣によって様々のようですね。近年は凶を減らしたり、なくすところもあるみたいです。ただし、吉凶よりも運勢の説明で何が語られているかが大切であるとされますので、しっかりと内容を読みましょうね。

和歌・漢詩

おみくじには和歌調のものと漢詩調のものがあります。運勢の説明に和歌を添えたり(戸隠神社など)、全体の運勢を御製や御歌で表現している神社(明治神宮など)もあります。また、寺のくじでは漢詩が添えられていることもあり、これは「元三大師百籤」がルーツになっているためと言われています。神籤に吉凶の語句が記されず、運勢の説明文・和歌等のみが御籤に記されている寺社もあるようです。

結び付けの風習

 木に結ばれた御神籤
引いた後の神籤を、境内の木の枝などに結ぶ習慣があることはご存知の方も多いかと思います。「結ぶ」が恋愛の「縁を結ぶ」に通じることから江戸時代から行われてきたようです。その後、神様との「縁を結ぶ」として木に結びつけられるようになりました。
また、「凶のおみくじを利き腕と反対の手で結べば、困難な行いを達成つまり修行をしたことになり、凶が吉に転じる」という説もあります。

こういった結び付けの習慣ですが、木に結ぶと生育が悪くなるため、参拝者が神籤を結ぶための専用のみくじ掛(2本の柱の間に棒や縄を渡したもの)を設置している寺社も増えてきました。神社も大変ですね・・・。

2022年の干支は、「壬寅」。十干(じっかん)が「壬(みずのえ)」、十二支が「寅(とら)」

陰陽五行説では十干を「太陽を象徴とした生命循環」とし、十二支を「月を象徴とした生命循環」としています。
一般的には十二支のみを使うことが多いのですが、干支というと「六十干支」を指します(60通り)。

「壬」は十干の9番目、生命の循環で言えば終わりの位置に近く、次の生命を育む準備の時期。
「寅」は十二支の3番目で、始めに近いので、誕生を表しています。

壬寅は39番目になります。みずのえとらと読みますが、音読みですと「じんいん」というそうです。

2022年 寅年は十二支の3番目

十二支といえば、動物たちの競争の話が有名です。
神様が「元日に私の元へ挨拶に来なさい。12着までに来た者たちを、順番に1年間の王様にしてあげよう」というお触れを出し、それを見た動物たちが神様の元へ向かって競争します。

要領のいい丑は、前夜に出発し最初に神様の家に到着しましたが、開門と同時に、丑の背中に乗っていたねずみが飛び降りて先にゴールしたため、ねずみが1着、丑が2着という結果になりました。

一方、寅をはじめとする他の動物たちは、夜が明ける少し前から神様の元へ出かける準備を始めます。
足の速い寅は本来1着で到着してもおかしくはありませんでしたが、やはり開門前に到着していたねずみと丑には勝てず。結果的に3番目の干支となったわけです。

実は亥(イノシシ)が猪突猛進、一目散に走り抜けダントツの1位だったのですが、勢い余ってゴールを通り越してしまい、迷子になったそうな。その間に他の動物たちはゴールしていき、結局最下位になってしまったのです。目標はしっかりと確認しておかないといけませんね・・・。


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